背面部の取付けと並んで、パテベビー映写機の組み立てでは難易度の高い作業です。円いシャッター羽根の中心を通した軸を軸穴に差しこんでいくだけなのですが、その際に下のパーツが上手くはまるようにセットします。
軸穴を通す穴の周りにおにぎり型の膨らみがついています。よく見てみるとその周りの金属の板にも平べったい「S」の段差がついています。別項にて詳述しますが、この段差や膨らみでフィルム送りの鉤爪が上下+前後運動できる仕掛けになっています。
まずはこの変形ギアを本体内部に差しこんでいきます(今回は指でつまんだままポトンと落としこみました)。その後ピンセットを使って寝かせます。
ここからシャッター羽根+軸を差し込んでいきます。
軸の先端が変形ギアの中心を貫いて背面部の軸受けに収まるように差しこみます。この時に先ほどのおにぎり型の膨らみが、背面部の四角いフレームに上手くはまるようにセット(赤枠の部分)してください。
ギアとシャッター羽根をはめこんだ後はビスで固定していきます。今回は内側から外に向けてネジを差します。ネジの頭の部分に向きがあり、写真右の黄丸の形に固定。
シャッター羽根を固定する板パーツを押しこみ、金色の小ナットで締めていきます。この時の重要なポイントは「きつく締め過ぎないこと」。シャッター羽根の動きに若干の遊びが必要なため、ちょっとぐらつく位の隙間を作らないと動かなくなります。
この段階でハンドクランクを付けて試走してみます。シャッターが上手く回る様ならOK。引っかかって止まる様だと何かがおかしいため修正していきます。
今回は3Dプリンタで自作したシャッター羽根を使いました。パテ社純正の円形シャッターは経年劣化で歪みや膨らみが発生しやすく、上の写真の青い枠の部分で干渉して動かなくなるパターンが目立ちます。わずかな歪みであれば金属ヤスリで削ってしのぐ、という手もあります。