カローラ・テーレ (Carola Toelle 1892 – 1958) 独

Carola Toelle Autographed Postcard

フリッツ・ラング監督初期作のひとつ『彼女をめぐる四人』(Vier um die Frau、1921年)で主演を務めたのがこちらのカローラ・テーレです。

第一次大戦終戦前後にドイツで数多デビューしてきた女優の一人で、当時はヘラ・モヤと並んで知名度が高かったようです。デビュー間もない時期の主演作『Das Lied der Colombine』でのリュートを手に歌う場面が印象的で、今回入手したサイン絵葉書はその場面をモチーフにしています。

本作のヒロインを演じているカローラ・テーレは品があって愛らしく、演技にも共感できる。

Carola Toelle, die hier die Hauptrolle inne hat, ist eine anmutige, liebreizende Erscheinung, deren Spiel sympathisch berührt.(Neue Kino-Rundschau vom 17. Oktober 1918. S. 59)

Carola Toelle in Das Lied der Colombine (1918)
『Das Lied der Colombine』(1918年)より
Carola Toelle in Vier um die Frau (1921, Fritz Lang)
『彼女をめぐる四人』より

[IMDB]
nm0865438

[Movie Walker]
カローラ・テーレ(Carola Toelle)

[誕生日]
4月2日

[出身]
ドイツ(ベルリン)

[サイズ]
8.6 × 13.4cm

[データ]
Verlag Herm. Leiser, Berlin Wilm. 5661 Phot. Deutsche Bioscop Ges.

グラディス・クーパー (Gladys Cooper 1881- 1971) 英

Gladys Cooper 1914 Autographed PostcardGladys Cooper 1919 Autographed Postcard

第一次大戦前に人気のあった英女優グラディス・クーパーのサイン物2点。当時のイギリスで5本指に入る人気にも甘んじることなく研鑽を積み『マイ・フェア・レディ』(1964年)の老貴婦人役を含む息の長い活躍を見せました。

初期サイレント作品では歴史ロマンスの『ボヘミアン・ガール』(1922年)が現存。美形俳優として知られたアイヴァー・ノヴェロとの共演作で、物語は単純ながら丁寧に作られています。また後にディートリヒとの二人三脚で名を馳せるスタンバーグ監督が初めてクレジット(助監督)された作品としても知られています。

2枚の絵葉書は同一所有者の旧蔵品で、裏面にはそれぞれ「1914年7月」「1919年9月」の入手日が記入されていました。

[IMDB]
nm0178066

[Movie Walker]
グラディス・クーパー(Gladys Cooper)

[誕生日]
12月18日

[出身]
イギリス(ロンドン)

ディオミラ・ヤコビニ (Diomira Jacobini 1899 – 1959) 伊

「国別サインリスト イタリア [Italy]」より

Diomira Jacobini 1929 Autographed Postcard

若くしてデビューした姉のマリア・ヤコビニを追うように1912年に女優デビュー、第一次大戦中に20作以上の映画に出演し知名度を上げていきます。

終戦後イタリア映画界が陰りを見せ始めるとマリアを含む多くの俳優は海外に活躍の場を求めました。ディオミラもドイツに渡り再スタートを切っています。

『死の花嫁』(1928年)
『死の花嫁』でのディオミラ(右はカリーナ・ベル)

この時期の作品で、1928年の歴史メロドラマ『死の花嫁』(Revolutionshochzeit)が現存。ディオミラは結婚式当日に革命派に見つけ出され、軟禁されてしまう花嫁を演じています。名監督A・W・サンドベルグの力量が発揮された同作は評判を呼び日本でも公開されました。

姉マリアの圧倒的な存在感、実績にややもすると隠れがちですが、『死の花嫁』からはお姉さんにはない硬質な透明感も伝わってきます。

[IMDB]
nm0414293

[Movie Walker]
ディオミラ・ヤコビニ

[誕生日]
5月21日

[出身]
イタリア(ローマ)

[サイズ]
9.0 × 13.9cm

[データ]
「1929年10月29日ベルリンにて」 « Ross » B.V.G. Berlin SW 68

河上君栄 (1907 – ?)

「国別サインリスト 日本 [Japan]」より

Kawakami Kimie Autograph

マキノ撮影所~松竹に移りながら初期映画を支えていった女優さんで、金森万象作品『砂絵呪縛』(1927年)の露路役、マキノ正博監督『浪人街 第二話』(1928年)のお蒔役が知られています。

ある時期のサインにやや特殊な色付きインクの万年筆を使っていたようです。経年で周囲に滲みが出やすく、他のサイン物でも同じような劣化の仕方をしています。

kawakami-Kimie02

[IMDB]
nm2387796

[JMDB]
p0057710

[出身]
日本(愛媛県松山市)

[誕生日]
1月30日

[サイズ]
8.5 × 13.5 cm

[コンディション]
C

アニタ・スチュワート Anita Stewart (1895 – 1961) 米

「国別サインリスト 合衆国・カナダ・オーストラリア [USA/Canada/Australia]」より

Anita Stewart Autographed Photo

1910年代後半を代表するハリウッド女優。当時の『モーション・ピクチャー・マガジン』誌の人気投票結果を見ていくと1914年に15位で初ランクイン。翌年には10位(152万票)とトップテン入りし、1916年と18年に6位まで順位を上げています。

コミカルで愛らしい女性像を得意としたメアリー・ピックフォードとマーゲリット・クラーク、スポーティーな女性を代表していたパール・ホワイト、妖しさを体現したセダ・バラと並ぶ人気を得ていた訳です。

ヴァイタグラフ社の稼ぎ頭で悲劇調のドラマチックな作品を得意としていました。現存作品が少ないのが残念ですが、先日紹介した『The Juggernaut』の他に『人の欲望(Human Desire)』がDVD化されています。

サインには「アニタ」の「ア」をAではなくaの筆記体大きめで書き、小文字tの横棒がやや右にずれていく特徴があります。彼女に限らず、ヴァイタグラフ社の俳優たちは代筆やオートペンを使わない傾向があるようです。

[IMDB]
nm0829171

[誕生日]
2月7日

[出身]
アメリカ合衆国(ニューヨーク)

[サイズ]
18.8 × 24.0cm

[撮影]
Hoover L.A.

ベルト・ボヴィ Berthe Bovy (1887 – 1977) ベルギー 大正10年のサイン絵葉書と明治43年の主演作『ダビデとゴリアテ』

「国別サインリスト フランス [France]」より

Berthe Bovy 大正10年直筆サイン入り絵葉書

1900年代中盤にシャルル・ル・バルジの元で演劇を学び、コメディ・フランセーズ入りして舞台デビュー。美人女優として話題を呼び、雑誌の表紙を幾度となく飾りました。20年代にはコクトーやコレットなど当時の文壇の最先端と交流を重ね、存在感を増していきます。

1960年代までの長いキャリアを持つ舞台女優さんですが、第一次大戦前(1908-14)には映画にも多く出演していました。有名な『ギーズ公の暗殺』(1908年)ではまだ端役だったもののすぐに主演がつくようになり、旧約聖書を元にした『ダビデとゴリアテ』(1910年)は後に9.5mmフィルムでも市販されています。

明治期の作品でもあり、野外の寸劇を収めたような粗い仕上り。本来は男であるダビデ王を女優が演じているためか不思議な倒錯感があります。

[IMDB]
nm0100664

[誕生日]
1月6日

[出身]
ベルギー(リエージュ)

[サイズ]
8.6 × 13.7cm

[コンディション]
B+

酒井米子 (1898 – 1958) & 木下千代子 (1903 – 没年不詳)

「国別サインリスト 日本 [Japan]」より

酒井米子&木下千代子 連名サイン

本人は『もうそろそろ引退時です』といつて居るさうであるが人氣はさうでもないらしい。何といつても現代の映畫女優ではスターである。明治三十三年十一月生れの二十九歳。東京市神田の産で十四歳の時有樂座で處女出演『ヂオゲスの誘惑』『野鴨』等の當り役がある。後暫く休養して大正九年五月日活第三部に加入し、『朝日さす前』『白百合の香』等に出で十年八月退社、十一年八月松竹に入り『海の叫び』其他に出演。矢張り古巣が戀しく同年末日活に復帰し『若草の唄』『旅の女藝人』『現代の女王』『椿姫』に扮装。最近主演は時代物『修羅八荒』『鳴門秘話』又新劇では『狂態の女師匠』『砂繪呪縛』のお酉等の大作がある。

『玉麗佳集』「酒井米子」より(1928年)

左の女優さんも控えめなサインが残されています。こちらは木下千代子さんと判明。『己が罪』など小林商会製作の初期映画に出演していた女形、木下吉之助氏の娘さんに当たるそうです。酒井米子さんとは1929~30年頃の日活で共演記録があり、絵葉書とサインも同時期ではないかと思われます。

[JMDB]
p0164280

[IMDB]
nm0757039

[誕生日]
11月25日

[JMDB]
p0358620

[IMDB]
nm1767877