『ジャンヌ・ダルクの素晴らしき人生』 映写招待パンフレット(1929年、ベルギー)

1929年5月にベルギーの映画館トリアノン・オベール・パレス座で『ジャンヌ・ダルクの素晴らしき人生』が公開された際に招待券兼パンフレットとして配布された小冊子。表紙には手書きで「座席確保済み(Reservé)」と書かれています。

冊子は二つ折りでキャストなどが記載され、映画の写真を印刷した一回り小さな紙が貼りつけられています。

『ファルコネッティ伝』 エレーヌ・ファルコネッティ著

1987-Falconetti 01


『裁かるるジャンヌ』の主演女優、ルネ・ファルコネッティの伝記。近親者の手によるものとしては1987年出版のこの書籍が唯一となります。

いつもなら深夜でも起きている彼女 [ルネ] が早寝をしようと心がけていた。それでも寝付くことができずにベッドで朝まで読書に耽っている。(61ページ)

古典に親しみ、新しい情報にも貪欲で、いつも寝不足続きだった若き女優の姿。こんなエピソードを紹介しているのは実の娘エレーヌさんで、幼い頃から生活を共にし、母の言動を間近で見てきたからこその証言が多く含まれています。

この伝記で初めて明らかにされた事実としては:

・男優シャルル・ボワイエとの恋愛関係
・旧知の仲だった老実業家の愛人となり認知されない娘(エレーヌさん)を身ごもった
・この実業家が亡くなった際に遺産分与を受け、20年代末に自身の劇団を立ち上げた
・晩年、南米に移住後は不遇の生活を送り、家具もほとんどない部屋で生活をしていた

などが含まれています。

『裁かるるジャンヌ』にも一章が割かれていますが当時物の雑誌記事の再構成が中心で特別な発見はありませんでした。

その人生に謎が多く、しばしば神格化もされている女優ファルコネッティ。ベルエポックの末期から第二次大戦明けの激動を彼女なりの誠実さで生き切った様子は伝わってきます。


原題:Falconetti
著者名: Hélène Falconetti

著者による1988年7月22日付の献辞あり

出版社: Du Cerf
出版: 1987年12月1日
叢書:リストワール・ア・ヴィフ
フォーマット:ソフトカバー 274 ページ
ISBN-10: 2204028452
ISBN-13: 978-2204028455

1927 – 時代劇 『剣の舞』(東亞キネマ 明文館 映画文庫)

 

激しい乱闘だ。修理の太刀には無駄がなく、ばたりばたりと前後左右に屍を積んだが、然しややその呼吸が乱れて来た。此処ぞと敵は益々激しく斬り込み斬り込み、息もつかせぬ。

映画文庫の20冊目として出版されたのが『剣の舞』。幕末の秋田藩を舞台とし、佐幕派と攘夷派の緊張が高まる中、陰謀に巻きこまれていく池田修理(市川小文治)の活躍を描いています。三角関係のロマンスが含まれており、生野初子さんが「和製楊貴妃」と称されるヒロイン琴路を演じました。

表紙にあしらわれた « MOVIE » がモダンな雰囲気を醸し出しています。

[原作] 歌川 天外
[監督] 松室 春翠
[出演] 市川小文治 生野初子ほか

ジョン・マーケル John « Wilmuth » Merkyl (1885 – 1954)

Wilmuth Merkyl

映画業界が大手に独占されていなかった1910年代初頭、カレム社(Kalem)という小さな映画会社が健闘を見せていました。同社を含む様々な会社の作品に主演として登場したのがウィルマス・マーケルでした。次第に脇役が増えていくもののトーキーを乗り越え戦中まで俳優活動を続けていきます。

1918年頃に改名しジョン・マーケル名義の出演となりますので、それ以前と思われる初期のサイン絵葉書です。

[IMDB]
nm0580961

[出身]

[誕生日]
6月2日

[コンディション]
B+

リリアン・ウォーカー Lillian Walker (1887 – 1975)

Lillian_Walker-m

1918年に米雑誌で開催された人気投票で110位を獲得した女優さん。明朗で健康的なイメージを武器とし、身近な女の子(ガール・ネクスト・ドア)の役柄を得意としていたようです。

サイン物は時々市場に出てきますが筆跡に揺れがあります。大文字「L」や「W」のヴァリエーションは許容範囲と思われますが小文字「n」に紛れがあり、時期の違いなのか代筆者がいるのか判明しておりません。

1912年のヴァイタグラフ社作品『義理の娘はややこしい(The Troublesome Step-Daughters)』ではノーマ・タルマッジやエディス・ストリーと共に、姉妹で組んで義母をいじめるおしゃまな女の子を演じていました。

[IMDB]
nm0907973

[出身]

[誕生日]
4月21日

[コンディション]
B+

明文館『映畵文庫』書籍一覧(1927年)

明文館・映画文庫一覧(1927年)

1927年時点で26冊が刊行されていた模様。扱われている作品の大半は1925年11月~1926年1月に公開された作品。

『御詠歌地獄』(松竹 1925年11月)
『雄呂血』(阪妻 1925年11月)
『荒木又右衛門』(日活 1925年11月)
『靑春』(松竹蒲田 1925年11月)
『上野の鐘』(松竹 1925年11月)
『辨天小僧』(帝キネ 1925年11月)
『松風村雨』(帝キネ 1925年11月)
『人間』(日活 1925年12月)
『戀の捕繩』(松竹 1925年12月)
『龍巻く嵐』(帝キネ 1925年12月)
『時勢は移る』(松竹)
『落武者』(松竹 1925年12月)
『命の懸橋』 (東亞1925年)
『お艶殺し』(東亞 1925年10月)
『寂しき道』(松竹 1925年11月)
『お初吉之助』(松竹蒲田 1926年1月)
『剣の舞』(東亞 1925年7月)
『女神の像』(帝キネ芦屋 1926年1月)
『いでゆの秋』(東亞 1925年12月)
『曲者は誰?』(帝キネ 1925年12月)
『征服者』(松竹蒲田 1925年12月)
『血刃の情火』(松竹 1926年2月)
『磯の仇浪』(東亞 1925年11月)
『魔保露詩』(阪妻 1925年12月)
『相模屋政五郎』(帝キネ芦屋 1926年2月)
『白川小天狗』(帝キネ 1925年12月)

ご丁寧に対応して下さった国立映画アーカイブ図書室のスタッフの皆様ありがとうございました。