エヴ・フランシス Ève Francis (1886- 1980)

サイン館・フランスより

Ève Francis 1913 Autographed Postcard

佛蘭西の名女優として第一流の名聲を博す。劇壇・映畫界兩方面に於て常に絶大なる讃辞を以て稱へらる。「エル・ドラド」「狂熱」「氾濫」「寄邊なき女」などがその主演した映畫である。夫君ルイ・デリユツク氏のものを舞臺に於けると同じく映画に於ても數多く演じたるも夫君今や無し。生地はブリユツセル。

Francis, Eve エエヴ・フランシス(佛)
『映画大観』(大阪毎日新聞社 活動写真研究会編、春草堂、1924年)


1921年『エルドラド』(マルセル・レルビエ)
1922年『さすらいの女』(ルイ・デリュック)

1900年代末から舞台女優の経験を積み、1910年代中頃にはまだ無名だった劇作家ポール・クローデルの作品上演に尽力して名を知られるようになっていきます。第一次大戦の終戦後、ジェルメーヌ・デュラックやマルセル・レルビエ、ルイ・デリュックなど実験的な方向性を持つ若手映画監督の諸作に出演して映画女優の知名度を確立。中でも夫君であるルイ・デリュックとの繋がりが深く、同氏が若くして病没(1924年)するまでの主要作品(『狂熱』『さすらいの女』『氾濫』)の殆どに主演しています。

サイン入り絵葉書はキャリア初期の1913年に残された一枚。若手の娘役として舞台に出演していた時期で、後年、憂いを感じさせる表情を浮かべた演技派女優のイメージとはずいぶんと異なっています。

[IMDb]
Ève Francis

[Movie Walker]
エヴ・フランシス