フィルム館・9.5ミリ (個人撮影動画・日本) より
フィルムの2本目は1930年2月に小石川後楽園で撮影されたものです。桜や藤棚など後楽園を彩る植物、橋や灯籠といった歴史ある建造物を記録しながら合間に同行した男性陣の映像が差し挟まれています。
撮影ポイント全てを特定することはできませんでしたが、
1)中心にある蓬莱島とそこに位置する徳大寺石~島の東側対岸におかれた異形灯籠
2)後楽園西部、大堰川の上流にかかる朱塗りの通天橋
3)切石と玉石を組みあわせて敷き詰めた延段
4)戦火で焼失した西行堂と思しき仏教建造物
などが記録されていました。グーグルマップとストリービューの写真を元に現在の様子と比較してみます。

(https://goo.gl/maps/88EaE94DihDVS7ii6)
1)蓬莱島~異形灯籠


中心部に位置する蓬莱島とその東対岸に置かれた異形灯籠周辺は渡月橋と並ぶ見所のひとつです。

動画では異形灯籠から蓬莱島に向けてカメラの視線を水平移動させています。複数のスクリーンショットをつなぎあわせてパノラマ写真風に再構成したのが上の一枚です。
2)通天橋


園の西側を流れている大堰川の上流に朱塗りの橋がかかっています。この通天橋を撮影したショットがこちら。
3)延段


園の南東部、かつて陸軍造兵廠があった辺りから中華風の石畳が続いています。切石と丸石を組みあわせたこの「延段」は往時のまま残されています。
4)西行堂と思しき仏教建造物
動画の前半部、桜を写した先に仏教建築物が垣間見えています。


完全に断定はできないのですが、異形灯籠のある辺りから南西に向けてカメラを構えるとこの構図になるのかなと。現在だと後楽ガーデンホテルが背後に見える形です。となると動画に記録された建物は大戦中に焼失した西行堂ではないか、と。もしかすると角度を見誤っていて、東側の白雲台の可能性も有ります。




