映写機館 より








先日紹介した上海美術電影製作廠の16ミリフィルムを収めていた紙袋に「フィルムを大事に管理するのは私達映写を行う者たちの務めです(愛护影片是我們放映人員的責任)」の一文がありました。今年度の目標にしようと思っていたのですが、今回届いた活動写真機の木箱の注意書きもなかなかです。特に最後の一文がツボに入ってしばらく悶絶していました。
木箱に収められていたのは地球印の35ミリ用玩具映写機。山形県東田川郡長滝村在住の山下實氏が所蔵していた個体です。
コンディションは決して良くなくあちこちに錆びつき、歪みが見られます。それでも大事に扱われ長く実使用されていたと分かる独特の経年変化をたどっており、軽く拭いて油を差すと深い眠りから息を吹き返しました。「あぁ、良く寝たなぁ。首と背中がまだギシギシ言つてらぁ…ん、今度の持ち主はお前さんかい、よろしくな」。ぞんざいに扱うと祟られそうでもあって、しばらく木箱に飾ったまま酒と梅をお供えしておきます。


