フィルム館・9.5ミリ (個人撮影動画・日本) より
京都市上京区の下長者町通りで撮影された1本。
1)動画冒頭に子供さんをクローズアップで写した映像があって(3秒ほど)、その後屋外撮影に入っていきます。民家の軒先に撮影者・浅井氏の家族が勢揃い。日の丸が掲揚されているので祝日だったのでしょうね。奥さんが『御室行楽』と同じ動きで赤ん坊を高い高いしています。
2)続いて子供を抱えている男性のミドルショット。逆光でかつピントが外れています。
3)交差点から通りを撮らえた映像。角度を変えて数ショット撮影しています。左のスクリーンショットで店先の暖簾に「若松屋酒店」の文字を見て取ることができます。右の映像では商店前に人が集まっています。
4)更に撮影ポイントを変えてもうワンショット。中央の電柱の先に先程の若松屋酒店の店舗があります。
調べてみたところ、1934年(昭和9年)9月時点の『京阪神職業別電話名簿』に若松屋酒店の登録を確認できました。住所は『下長者町、大宮東』となっていてフィルムのデータと一致します。
下長者町通は御所の西側に位置する東西の通り。この辺は基本的に住宅街で、烏丸~堀川~千本通りを移動する際に通り抜けたことがあるかないか…の記憶です。
今回の動画はこの下長者町通と大宮通(現在の旧大宮通)が交わる一角を撮影場所としています。



3)の1枚目の写真では、二つの通りが交わった場所に撮影者さんが立っており、カメラを北東に向けて大宮通東側の若松屋酒店を撮影。この場所は現在住宅に変わっていました。



3)の2枚目の写真では撮影者が位置を変えず、体を180度反転させてカメラを南西に向けています。この場所は現在でも商店(丸田酒店)があって、「たばこ」の表示まで似た位置にあるのを確認できました。若松屋酒店の責任者も「丸田淸藏」となっていましたし、この二つの店は何らかの形でつながっているんでしょうね。



4)では先ほど商店前に立っていた複数人物のうちの一人がカメラを借り、交差点に立っている浅井氏本人を収める形で北東方面を写した映像になっているのが分かりました。


今回確認できた撮影者の浅井氏本人は、面長でやや目の細い感じの人物。2)で登場していた赤ん坊を抱えている男性と同じだと思われます。つまり2)は家族の誰か(奥さんまたは子供の一人)あるいは知人にカメラを貸して撮影してもらった、浅井氏本人と赤ん坊の2ショット動画だったと判明しました。










