日本・女優 & 女優別絵葉書ギャラリーより
松本靜子が本名。明治三十六年七月東京に生る。大正八年寶塚少女歌劇に入り同十年十月同所を退いて上京し十二年二月松竹キネマに入り始めて映畫界の人となる。『笑へ若者』『なすな戀』等に出演、十三年の五月帝キネに走り、『戀慕地獄』『何時まで踊る』『籠の鳥』『友情』に出演して名を擧げ映畫女優の花形の第一人者となる。最近主演のものでは前田曙山原作、西池春之助脚色、松平鶴之助、高木永二共演の『神文』がある。彼の演技は日と共に圓熟しフアンの好評湧くが如きものがある。趣味は讀書。現住所は大阪市西成區天下茶屋西長池筋五〇五。
『玉麗佳集』(1928年2月、中央書院)
松本靜子を本名として明治三十六年七月二十五日宮城縣東六番町に生る。千葉蘇我小學校を終て東京家政女學校を卒業、大正八年寶塚少女歌劇へ入團、大正十年退社同十二年三月蒲田スタヂオに入社、同年六月日活向島に移り十三年五月二十五日帝キネに入社。昭和二年五月十五日日活關西スタヂオ新劇部に入り現在主演映畫五十餘本あり。趣味は音樂、すきなもの果物と甘いもの。住所は京都市上京區代將軍鷹司町二五、伊藤方。
『日本映畫俳優名鑑』(1928年7月、映畫世界社)
彼女自身、線のきわめて弱い妖婦役が得意だと云ふ – この性格は、新手法の演出が出来る點で、映畫製作者にとつては面白い問題であり、さうしてその問題を考へついてゐる彼女は賢明と云はなければならない。
ダリアの濃艶さに生きる彼女は、洋装のシツクリする點で蒲田随一との評がある。處女性を無残に奪はれて、はかない反抗に社會を呪う令孃 – さう云つた役柄に扮して當りを取つている。寶塚少女歌出身で、嘗ては帝キネの『籠の鳥』に出演し劃期的な大當りを占めた。熱心な彼女はトーキーに進むべく聲楽と舞踊に、今、懸命の稽古を励んでゐる。(松竹蒲田)
『東西映画 人氣花形寫眞大鑑』
(1933年1月、冨士新年號附録)
[JMDb]
沢らん子
[IMDb]
Ranko Sawa







