千草 香子 [Chigusa Kyoko]

日本・女優より

Chigusa Kyoko Autographed Postcard

本名飯田千代子。明治卅一年名古屋に生る。女子商業卒業後、日活に入り後帝キネに移った。おつとりした芸風を持つて、可憐な娘に扮して毎時成功している。


『世界のキネマスター』(1925年)


明治三十一年名古屋市に生る。本名飯田千代子。姉は有名な新橋の芸妓、自分も若葉と名乗つて左褄を取り嬌名を謳はれたもの。女子商業の出身で大正十三年日活に入り、後帝キネに移つた。主なる主演は『新皿屋敷』『遺恨駒下駄』最近の映畫では『茜谷半七』『仇討高砂の松』に活躍しスターとしてフアンの人氣を高めてゐる。オツトリとした藝風で娘役が適している。好きな物は音樂と旅行と働くこと。嫌ひなものは志那料理。

『玉麗佳集』(1928年2月、中央書院)


本名は飯田千代子、明治三十三年名古屋市榎町に出生。東京京橋區日吉町十四に轉住し東京京橋區泰明小學校を卒業の後子藤間勘五郎、藤間政彌師の両師に踊を師事、長唄を故杵屋勘五郎氏に稽古を受け後新橋玉中村養女として藝名小玉として新橋に出づ、後都合により廢業の後京橋區桶町伯母宅にて茶の湯裁縫を稽古す。後日活向島撮影所に入社、大正十二年震災のため日活京都撮影所に轉所、同十三年十二月都合により帝キネ小坂撮影所に轉社後蘆屋撮影所に合併し現在迄幹部女優として奮闘す。主演映畫に「女群揚羽組」「彼女の運命」「肉の榮光」「曲者は誰か」「茜屋半七」「影繪の如く」「不知火」「戀地獄」「小春治兵衛」「お園六三」「朝香三四郎」「心中ヶ丘」「久坂義助」「生不動」「新門辰五郎」等々五十餘本。身長は五尺一寸。體重は十四貫五百匁で、趣味は旅行と音樂等。嗜好物は日本料理の淡白なる物、殊に酢の物。住居は大阪市南區鰻谷仲之町四十九である。

『日本映畫俳優名鑑』(1928年7月、映畫世界社)


[JMDb]
千種香子

[IMDb]
Kyôko Chigusa

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