フィルム館・9.5ミリ (英パテスコープ) & 映画史の館・フランスより

The Tournament (Le Tournoi dans la cité , Société des Films Historiques, dir/Jean Renoir) 1930s UK Pathescope 9.5mm Print
『城下町の決闘』は監督自身の発案で製作されたものではなく映画会社から委託された仕事でした。そのためルノワール監督の本領が発揮されていない、のネガティヴな評価を受けやすい一作です。
軽めの恋愛や派手な剣術を前面に出して大衆受けを狙う辺り確かにルノワールらしくない内容と言えます。とはいえ、よく見てみるとメディシス役のブランシュ・ベルニやフランソワの母親役のシュザンヌ・デプレのベテラン勢も存在感を放っています。『城下町の決闘』は若手(ナディ、モニエ)を中心に繰り広げられるロマンスやアクションを前面に出しつつ、他方でドロドロした政治・宗教の側面(ベルニ)や悩める母の物語(デプレ)を読みこむことのできる重層構造になっているのです(真の主演はベルニ、デプレと言って良い位です)。
ルノワールは決して大衆芸術の側面を低く見ていた訳ではありませんし、エンタメ路線と監督のこだわりをきっちり両立させた点で『城下町の決闘』は優れています。長らく見ることの出来ない幻の作品でしたが2021年にゴーモン社からデジタル修復版のDVDが発売されています。
[Movie Walker]
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[IMDb]
Le tournoi












