
Romanticismo (1915, Società Anonima Ambrosio,
dir/C. Campogalliani & A. Frusta) Early 1920s? Notebooks
1915年に公開されたイタリア映画『ロマンチシズモ』のスチル写真をあしらった未使用のノート4種。




以前にDVDを紹介した『さらば靑春』でヒロインの恋敵を務めていたエレナ・マコウスカがその3年前に主演デビューを果たした記念すべき一作、相手役にはデビュー直後のトゥリオ・カルミナティが配されています。『活動画報』のエレナ・マコウスカ紹介記事には「『ロマンチシズモ』(國よ若き國よ)」の言及があり、後者の邦題で日本でも封切りされていたと思われます。




縦20.2×横15.1cmとほぼA5版。表紙には映画原作となったジェローラモ・ロヴェッタ戯曲の引用が付されていました。裏表紙はメーカー名「GGB」のロゴ入り。イタリアの「ノート博物館」のオンラインサイトは発売時期を1920~30年代と見ておりアンブロージオ社が1924年に倒産した事実を踏まえると20年代前半と絞りこんでよさそうです。
『ロマンチシズモ』についてはマコウスカが戦後に出演した『夢のカバン』(La valigia dei sogni、1953年)で結末を含めた3分弱の映像が引用されており、少なくともこの時点までフィルムが残っていたと分かります。ただし近年の修復や上映の記録はなし。この時期のイタリア映画らしい熱量を湛えたもので埋もれさせるには惜しく、どこかの倉庫に眠っているフィルムがいつか見つかると期待したいです。